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ニューロダイバーシティと
発達障害 最新技術の
活用

発達障害における生成AI活用や
ニューロダイバーシティの最新研究

「ニューロダイバーシティ」という概念に対する注目の集まりに伴い、新たな技術が開発されてきています。ここでは、発達障害の人でも活用できる事例と合わせてご紹介します。

ニューロダイバーシティとは?発達障害との関連性は?

ニューロダイバーシティとは、Neuro(脳・神経)とDiversity(多様性)という2つの言葉が組み合わされて生まれた、「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを、多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう」という考え方です。

ニューロダイバーシティという言葉は、自身もASDであるオーストラリアの社会学者ジュディ・シンガー氏が1990年代に提唱しました。今では国際的に広く認知されている概念となり、日本でも注目されています。

たとえば、発達障害は脳の特性であり病気ではありません。そこから生じる言動においても、“能力の欠如や優劣”ではなく“得意・不得意”や“多様性”と表現するのが適切です。
さらに、「ニューロダイバーシティ=発達障害」ではありません。ニューロダイバーシティは人間の脳や認知のあり方そのものを対象とする考えです。全ての人に何らかの脳の特性があるとすると、ニューロダイバーシティの対象は“全人類”となるのです。

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発達障害のある人での生成AI(ChatGPT等)活用のヒント

発達障害の特性のある方では、タスク管理や他者とのコミュニケーションが苦手という特性のある人は多いのではないでしょうか。ここでは、ChatGPTなどの生成AIを活用し苦手をカバーするためのヒントを紹介します。

生成AIとは

生成AI(生成系AI)とは、さまざまなコンテンツを生成できるAI(人工知能)のことです。ユーザーがテキストや音声で入力した指示や質問に対し、テキストや画像、動画、音声などを生成します。
中でも最も話題になったのは、2022年に米OpenAI社がリリースしたChatGPTでしょう。これは大規模言語モデルの一種、自然言語処理AIです。まるで人間が作ったような自然な文章を生成することができるなど、高い性能を発揮し社会を驚かせました。現在、ビジネス以外でも広く活用されるようになり、普段の生活でも役に立つツールのひとつとなりつつあります。

発達障害の苦手をカバーするための生成AI(ChatGPT等)活用法

ChatGPTなどの生成AIは、繰り返し会話することでAIが学習し、よりユーザーにあった精度の高い回答を出すようになります。ただし、中には誤った情報が含まれることもあるため、正確性が必要な場合は注意するようにしましょう。

日常生活のタスク管理として活用
タスクを入力することで、簡単にスケジュールや解決方法の例などを提示してくれます。

<ChatGPTでの例>

ChatGPTへの質問

今日のスケジュールを立ててください。
9時に出社、11時から12時まで会議、14時まで30分間上司と面談、その他の時間は資料作成する。19時には退社する。

ChatGPTからの回答

もちろん、今日のスケジュールを立てましょう。以下があなたのスケジュールです:

  • 9:00 AM - 出社
  • 9:00 AM - 11:00 AM:午前中は仕事に取り組みます。プロジェクトの進捗状況を確認し、必要なタスクを優先しましょう。
  • 11:00 AM - 12:00 PM:会議。この時間は会議に参加し、プロジェクトに関する情報を共有し、議題を議論しましょう。
  • 12:00 PM - 2:00 PM:お昼休憩と、その後の時間を利用して仕事を進めます。会議での議論に基づいて、次のステップを計画しましょう。
  • 2:00 PM - 2:30 PM:上司との面談。この時間は上司との会話に集中し、プロジェクトの進捗状況や必要なサポートについて話し合いましょう。
  • 2:30 PM - 7:00 PM:資料作成とプロジェクトの作業に取り組みます。必要な情報を収集し、資料を整備してください。
  • 7:00 PM - 退社。その後、自宅でのリラックスと休息の時間を確保しましょう。

このスケジュールは、効率的に作業を進めながら、会議や上司との面談にも適切な時間を割り当てています。プロジェクトに集中し、タスクを完了するために十分な時間が取られています。希望どおりの一日を過ごせることを願っています!

ChatGPTへの質問

新宿駅から東京駅へ向かう途中で手土産を購入する方法を教えてください。

ChatGPTからの回答

新宿駅から東京駅へ向かう途中で手土産を購入する方法はいくつかあります。以下にいくつかのオプションを示します:

  1. 駅の売店やコンビニエンスストア:
    新宿駅および東京駅には、多くの売店やコンビニエンスストアがあります。これらの店舗でお土産を購入できます。お菓子、お酒、地産品など、さまざまな選択肢があります。
  2. 駅ビル内のショップ:
    新宿駅および東京駅には、駅ビル内に多くのショップやデパートがあります。これらの店舗で手土産を購入できます。地元の特産品やおしゃれなお土産品を見つけることができます。
  3. エキュート新宿・エキュート東京:
    新宿駅の改札を出てすぐにある「エキュート新宿」や、東京駅の改札を出てすぐにある「エキュート東京」は、グルメやお土産品のショップが集まるエリアです。こちらでお土産を購入することができます。
  4. 駅構内のショップ:
    駅構内にも、お土産を販売するショップがあります。改札内やホーム周辺にも見かけますので、時間がない場合や急ぎの場合に利用できます。

手土産を選ぶ際には、受け取る相手の好みや制約に注意しましょう。地元の特産品や有名なお菓子、お酒など、多くの選択肢があるはずです。

仕事や人間関係の悩みなどを話す“対談相手”として活用
自然な文章を生成でき、文脈や会話の流れを理解した柔軟な回答が可能なため、相談相手として活用することもできます。また、繰り返し会話を続けることで、検索ではできない細かなニュアンスを汲んだ回答ができるようになります。客観的な意見を提示してくれるため、人には普段相談できないようなことを聞いてみるのもよいでしょう。

<ChatGPTでの例>

ChatGPTへの質問

今日はたくさんの人と話をしなければならなくて、疲れてしまった。
リラックス方法はありますか?

ChatGPTからの回答

疲れた後にリラックスする方法はたくさんあります。以下はいくつかのリラックス方法です:

  1. 深呼吸:深呼吸を行うことは、リラックスするのに効果的です。 ゆっくりと深呼吸をし、ストレスを和らげましょう。
  2. 瞑想:瞑想はストレスを軽減し、リラックスするのに役立つ方法です。静かな場所で座り、呼吸に注意を向け、心を静めましょう。
  3. 自然に触れる:自然に触れることは、リラックスの方法として素晴らしい選択肢です。散歩をし、公園に行ったり、自然の景色を楽しんだりしましょう。
  4. バブルバス:お風呂に入ることは、リラックスのための贅沢な方法です。温かいお風呂に入って、緊張をほぐしましょう。
  5. 趣味を楽しむ:趣味や興味を持っていることに時間を費やすことは、気分をリフレッシュさせるのに役立ちます。 本を読む、音楽を聴く、絵を描く、料理を楽しむなど、自分の好きな活動に没頭しましょう。
  6. ストレッチやヨガ:軽いストレッチやヨガを行うことは、体の緊張をほぐし、リラックスに役立ちます。
  7. 友人や家族と過ごす:愛する人たちと過ごす時間は、リラックスにつながることがあります。楽しい会話や笑顔はストレスを和らげます。
  8. マッサージを受ける:マッサージは筋肉の緊張をほぐし、リラックスを促進します。

これらの方法の中から、自分に合ったものを選んで試してみてください。日常的にリラックスの練習をすることで、ストレスを軽減し、心身の健康をサポートできます。

ChatGPTへの質問

今日はADHDの特性で職場でうまくいかないことがあったんだけど、周りの人に自分の状況
をうまく伝えられなかった。

ChatGPTからの回答

ADHDの特性により、職場でのコミュニケーションや課題の遂行が難しいことがあるかもしれません。しかし、自分の状況を周りの人に伝える方法を工夫することで、サポートを受けやすくなります、以下は、職場でのコミュニケーションに役立ついくつかのアイデアです。

  1. 直接話す:上司や同僚に対して、自分の状況や困難をオープンに話すことが大切です、相手に理解を求め、協力を仰ぎましょう。
  2. 職場環境の調整:職場での環境を改善するために、集中力を高めるためのアレンジを提案しましょう。たとえば、静かなスペースを提供してもらうこと、タスクの優先順位を調整することなどが考えられます。
  3. タスク管理の支援:タスクリスト、スケジュール、リマインダーアプリなどを活用して、課題の管理をサポートしましょう、上司や同僚に進捗状況を共有することで、協力を仰ぎやすくなります。
  4. サポートグループ:同じような状況にいる他の人との交流を通じて、アドバイスや経験を共有しましょう、ADHDサポートグループや専門家のカウンセリングも検討する価値があります。
  5. 一対一の会話:特定の課題や問題について、上司や同僚との一対一の会話を持つことで、より具体的な支援を受けることができます。

ADHDは個人差があるため、自分に合ったアプローチを見つけることが重要です。また、職場での状況によって異なる支援策が必要になるかもしれません。自分の特性を理解し、他の人と協力しながら、職場での成功を目指しましょう。

ニューロダイバーシティに関する最新研究——ニューロダイバーシティ関連イベントより

ニューロダイバーシティの広まりとともに、関連するイベントなども開催されるようになってきました。たとえば、2023年には以下のようなイベントが開催されています。

  • ニューロダイバーシティ サミットJAPAN 2023 9/17~18開催 Kaien主催
  • みんなの脳世界~ニューロダイバーシティ展2023(『ちょっと先のおもしろい未来 –CHANGE TOMORROW-』内にて開催) 9/17~18 B Lab主催
その他にも、各自治体や各企業でセミナーや講演会なども多数実施されています。
「みんなの脳世界~ニューロダイバーシティ展2023」ではニューロダイバーシティに関する最新研究の展示も実施され、私たちの身の回りの情報がそれぞれ特性を持つ脳を経由して、どのような感覚としてあらわれるのか、感じ方と個人差など発達障害にも関連する展示もありました。その中からひとつご紹介します。

感覚過敏にやさしい世界/株式会社クリスタルロード 感覚過敏研究所

感覚過敏研究所は感覚過敏の課題解決を目指し、感覚過敏の啓発、対策商品の企画・販売、研究を行っています。感覚過敏は、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの感覚が過敏であり、日常生活に困難をもたらす状態で、特に発達障害において多く見られる症状です。感覚過敏缶バッジの販売、感覚に配慮したアパレルブランドの展開、五感にやさしい空間の創造を行っています。

「ニューロダイバーシティ展」では、センサリーマップやカームダウンボックスの展示を行いました。ダンボール製の簡易カームダウンボックス(休憩所)を会場に用意し、五感情報を記録・共有するセンサリーマップのデモ展示も実施しました。感覚特性への配慮や工夫は、ニューロダイバーシティの重要な課題のひとつと考えています。

これからも広がるニューロダイバーシティ、お近くでイベントやセミナーが開催される際には参加してみてはいかがでしょうか。

本文中に使用されている専門用語(アンダーラインのついたもの)については発達障害関連ワード集に詳しく説明があります。