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野球を愛する人にこそ知ってほしい「ニューロダイバーシティ」のお話。

更新日:2024年2月28日

ニューロダイバーシティとは、
「脳や神経、それに由来する個人レベルでのさまざまな特性の違いを
多様性と捉えて互いに尊重し、社会の中で活かしていこう」という考え方。
実は、日本の国民的なスポーツでもある「野球」にとても似ているのをご存知ですか?

選手は、それぞれ得意・不得意が違う。
だから「適材適所」が大切。

「守備のスペシャリスト」にホームランを狙わせても、
「左のワンポイントリリーフ」に先発完投を要求しても、
選手たちは、思うようなプレーができないかもしれません。
ニューロダイバーシティも考え方は一緒です。
それぞれの特徴にあった役割があるから
ひとりひとりが活躍できるのです。

多様性の幅がとても広い。

ニューロダイバーシティと同じく、
野球にも多様性は数多く見受けられます。
たとえば投球フォーム。
オーバースロー、サイドスロー、アンダースローなど、
ピッチャーそれぞれの特徴を活かせるフォームがあります。
また、「変化球」の数も多種多様。
基本的なものに加え、選手オリジナルのアレンジを加えると
数十種類にもなるといわれ、その数はいまも増え続けています。
多様性は、ファンの応援スタイルにも。
タオル回し、スクワット応援、男女パート別の声出しなどさまざまです。

“起用”する側もとても大切。

野球の場合、良い選手が揃っているだけでは
なかなか力を発揮できません。
周りがその得意・不得意を理解し、効果的なトレーニングを行い最適な起用をすることで、より強いチームになるのです。
ニューロダイバーシティの考え方も同様で、
周りがそれぞれの得意・不得意を理解し、尊重することで
より良い社会につながっていきます。

活躍できるポジションは
どこだろう。

もしも、打率1割台でもホームランを
40本打てる選手がいたら・・・。
長打よりも、バントや盗塁の得意な選手がいたら・・・。
試合の重要な局面で、活躍できるシーンがめぐってくるはず。
それは、ニューロダイバーシティとよく似ています。
それぞれの得意・不得意を理解し、みんなで尊重しながら活かし合えば、
誰もが輝くことができるのです。

ニューロダイバーシティ
(Neurodiversity)とは?

Neuro(脳・神経)とDiversity(多様性)の
2 つの言葉が組み合わさったもので「神経多様性」を意味しています。

ニューロダイバーシティという考え方は、世界中で浸透してきていますが、
日本ではまだまだ認知と理解が進んでいませんが、
「個々の異なる特性や特徴を尊重し、多様性の違いを社会で生かしていこう」という考え方です。

ニューロダイバーシティと
大人の発達障害の観点

発達障害の特性は「苦手」という視点で捉えられることが多々ありますが、
「発達障害の特性は脳の多様性のひとつ」という考え方を取り入れると、
「得意」にあたる特性も同時に存在していることに気づくでしょう。

たとえば、誰しもが幼少期から苦手だったことがある一方で、
得意だった・好きだったこともあったはずです。

発達障害の有無に関わらず、誰もが脳の多様性を持っています。
つまり私たちはそれぞれに多様であり、さまざまな特性を持ち合わせています。
そして、その多様な特性はその時々の環境や状況によって、
得意にも苦手にもなりえるのです。

監修:NPO法人DDAC(発達障害をもつ大人の会)

ニューロダイバーシティ
について、
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